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「防音・遮音・吸音」それぞれの言葉の違いについて説明します。

みなさん、こんにちは!

大阪を中心に関西の防音室の設計・工事をしている創和防音です。


日本全体で防音に対する意識が高まっている昨今。

ネット上では防音に関する情報が日々飛び交っています。


そんな中で「防音・遮音・吸音」などのワードが良く使われますが、曖昧な使われ方をされていることが多く、その言葉の意味するところが分かりづらい時はないでしょうか?


そこで今回は「防音・遮音・吸音」それぞれの言葉の違いについて説明したいと思います。



 

■吸音とは?

音は壁にぶつかった時「反射・吸収・透過」という3つの振る舞いをします。

この振る舞いを図解したものが下の画像になります。

音の反射・吸収・透過の図解

壁に向かって入射した音のエネルギーの一部は「反射」され、残りの音のエネルギーの一部が「吸収」され、最後に残った音のエネルギーが「透過音」となります。


ここで音のエネルギーの一部が「吸収」されていますが、これがいわゆる「吸音」になります。


 

■遮音とは?

先程の図をもう一度見てみましょう。

音の反射・吸収・透過の図解

壁に向かって入射した音のエネルギーの一部は「反射」され、残りの音のエネルギーの一部が「吸収」され、最後に残った音のエネルギーが「透過音」となります。


この時、入射音は「反射」と「吸収」によって音のエネルギーが小さくなっていき、最後に「透過音」になります。


これにより、「透過音」は「入射音」と比べて小さくなっているのですが、これが「遮音」と呼ばれるものです。

(なお、この少なくなったエネルギーのことを「透過損失」と言います)


言い換えれば「反射」と「吸収」の合計が「遮音」であるとも言えます。


 

■防音とは?~「防音・遮音・吸音」それぞれの言葉の関係~

最後に、防音とは何を意味するかについてですが、これは遮音や吸音などを組み合わせて音を防ぐことを総称した言葉として使われています。 (この記事では扱いませんでしたが、防音の中には「防振」も含まれます。「防振」という言葉についてはまた別の機会に触れたいと思います。)


そのため、曖昧な使われ方をすることが多いようです。


言葉の関係を図にすると下記のような感じです。

防音という言葉の意味について

防音は遮音や吸音といった音を防ぐための施策を内包した言葉ということです。


防音関連の話をする時はこれらの言葉を正しく使い分けたいですね。


 

■まとめ

  • 吸音とは音のエネルギーが「吸収」されることを言います。

  • 遮音とは音のエネルギーが「反射」と「吸収」により小さくなることを言います。

  • 防音とは遮音や吸音などを組み合わせて音を防ぐことを総称した言葉です。


 

■おまけ

ここでは「反射」「吸収」「透過」についてもう少し詳しく知りたいと思った方に向けて今回の記事を補足する内容をまとめています。


興味のある方は是非読んでみてください。


 

●吸音のメカニズムについて

記事の中で音のエネルギーが吸収されると記載しましたが、どのようにして音のエネルギーが吸収されるのでしょうか?


音は物体にぶつかった時にその物体やその中の空気を揺らします。

この時に物体やその中の空気が揺れることにより音のエネルギーが熱エネルギーに変換されます。

音のエネルギーの一部が別のエネルギーに変わったことにより、音のエネルギーはその分小さくなります。


このことを音のエネルギーが吸収されると表現しているのです。


これが吸音のメカニズムです。


 

●吸音材料について

ここで、代表的な吸音材料を紹介します。


【グラスウール】

ガラスを主原料とした材料で、非常に細いガラス繊維が複雑に絡み合った構造をしているためガラス繊維の間に無数の細かな空気層が存在しています。


なおこのように多数の小さな穴が空いたような構造のことを「多孔質」などと呼びます。

この多孔質構造により音がグラスウールに入射した時に細かいガラス繊維そのものや細かい空気層が振動することにより効率的に音のエネルギーを熱エネルギーに変換し吸音します。


これが防音室などで最も多く使われている吸音材です。


吸音材として使われる材料のほとんどはこの多孔質構造を持っています。


例として、グラスウール以外に吸音材として使われることがある材料として、ロックウール、ウレタンフォームなどがありますが両方共多孔質構造を持っています。


 

●遮音について

記事の本編でも触れましたが、「遮音」は「反射」と「吸収」の合計であると言えます。


では、どのような材料が遮音に向いているのでしょうか。


それは「重たい材料」であると言われています。


その根拠は遮音にまつわる「質量則」と呼ばれるもので、これは簡単に言うと重たいものほど遮音性能が上がることを意味しています。


そのため防音室の壁には石膏ボードなどの重たい材料が使われることが多いです。


しかしながら、遮音性能は質量則だけで決定するという訳でもありません。


これらの遮音にまつわる話は別の記事で詳しく説明したいと思います。



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