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騒音計には3種類ある?~騒音計の種類について~

みなさん、こんにちは!

大阪を中心に関西の防音室の設計・工事をしている創和防音です。


日本全体で騒音問題に対する意識が高まっている昨今。

Amazonで「騒音計」と検索すると数千円から購入できるものが多く出品されていたりします。


しかし、実は騒音計には種類があることを知っていますか?


騒音計の種類ごとに出来ることと出来ないことがあるため、用途に応じて正しく使い分けをしなければなりません。


今回の記事では騒音計の種類について紹介しながらそれぞれの用途についても説明していきたいと思います。



 

■騒音計には3種類ある

騒音計は3種類に分けることができます。


それは

  • 簡易騒音計

  • 普通騒音計

  • 精密騒音計

の3種類です。


ひとつずつ説明していきます。


 

■簡易騒音計とは

簡易騒音計には厳密な定義がありませんが、逆に言うとJISなどで規定されている騒音計以外の騒音計が簡易騒音計に当たると言えます。


冒頭で触れていたAmazonで数千円からで購入できる騒音計のほとんどは簡易騒音計に当たります。


簡易騒音計はほとんどの場合A特性での計測にしか対応しておらず(C特性にも対応している場合もありますが)いわゆる「騒音レベル」の計測のみの用途となります。 ※A特性やC特性って何?と思った方はこちらの記事で解説しています。


 

■普通騒音計とは

普通騒音計は「JIS C 1509」で規定されているクラス2に該当する性能を持った騒音計の事を指します。


「JIS C 1509」に適合する場合、計量法における特定計量器にあたる騒音計の規格である「JIS C 1516」にも適合することができます。


特定計量器にあたる騒音計では計量法における「取引・証明」に使用することが出来ます。


「取引」とは商売などで使用することで、「証明」とは計量した値を証明することです。


つまり、業務の中で音の大きさを取り扱う場合は「JIS C 1509」の規定をクリアする騒音計を使う必要があるのですが、普通騒音計であれば問題ないということです。


なお、「取引・証明」に使用する場合は指定検定機関で検定を受ける必要があります。


測定できる周波数範囲は20Hz~8kHzです。


価格は10万円前後~が相場となります。


動作温度範囲は0℃~+40℃とされています。


用途は環境騒音(交通騒音や工場からの騒音など)の測定を主としています。


 

■精密騒音計とは

精密騒音計は「JIS C 1509」で規定されているクラス1に該当する性能を持った騒音計の事を指します。


普通騒音計と同じく、「JIS C 1509」の規定をクリアしている騒音計であるため「取引・証明」に使用することができます。


精密騒音計は普通騒音計とかなり近いものと言えますが、

  • 測定できる周波数範囲が広いこと(16Hz~16kHz)

  • 測定精度が高いこと(測定の許容誤差が小さく設定されている)

  • 動作温度範囲が広いこと(-10℃~+50℃)

  • 価格が高いこと(20万円~100万円程度)

の点において普通騒音計と異なります。


要するに普通騒音計の高機能バージョンであると解釈すれば問題ありません。


用途は研究に使用するデータを計測する時や音響製品の評価をすることなどを主としています。


 

■まとめ

●各種騒音計の比較表

ここまで、それぞれの騒音計について説明してきましたが、まとめとしてその違いを表にして一覧できるようにしました。


簡易騒音計

普通騒音計

精密騒音計

規格

なし

「JIS C 1509」

「JIS C 1509」

用途

騒音レベルの測定 個人使用に限る

環境騒音測定など 業務に使用可

研究・音響製品の評価など 業務に使用可

周波数範囲

規定なし

20Hz~8kHz

16Hz~16kHz

測定精度(※)

低(規定なし)

動作温度範囲

規定なし

0℃~+40℃

-10℃~+50℃

価格

数千円~

10万円前後~

20万円~100万円

※測定精度の詳細についてはここでは割愛させて頂きます。


●各種騒音計の使い分け方について

【簡易騒音計】

簡易騒音計はその音の大きさを業務の中で証明をする際には使うことが出来ない事から個人使用に限られます。


しかしながら、周波数範囲や測定精度などに対して規定はないものの非常に安価であることから個人の方が日常的に接する騒音レベルを簡単に計測したい場合に最適と言えます。


【普通騒音計】

普通騒音計は「JIS C 1509」(JIS C 1516)に適合しているため「取引・証明」及び業務に使用することができます。


用途的には環境騒音の測定を目的として作られているため、業務の中で環境騒音の測定が必要な場合に適していると言えます。


防音室関連での用途では、遮音等級D値やL値の測定にも普通騒音計は使用することができます。(ただし、周波数毎の分析ができることと、Z特性での測定ができる必要があります)


【精密騒音計】

精密騒音計も「JIS C 1509」(JIS C 1516)に適合しているため「取引・証明」及び業務に使用することができます。


用途的には研究及び音響製品の評価を目的として作られているため、その用途はもちろんのこと普通騒音計がカバーする範囲の用途にも使用できます。


●最後に

いかがでしたでしょうか。


騒音計と一口に言っても種類があり、用途に応じた使い分けが必要であることを知らなかった人も多いのではないでしょうか。


特に、簡易騒音計はJIS規格に適合しておらず「取引・証明」に使うことが出来ないため、

「業務の中で音の大きさを証明しなければならない場面などでは簡易騒音計は使うことができない」

という点には注意が必要ですね。


 

■おまけ

「簡易騒音計」はAmazonで調べると沢山出てくるけど「普通騒音計」と「精密騒音計」ってどんなもの?

と思われた方のために創和防音で使っている「普通騒音計」と「精密騒音計」をお見せしたいと思います。


●創和防音で使用している「精密騒音計」

創和防音で使用している精密騒音計はリオン社製の精密騒音計「NA-28」です。


リオン社製の精密騒音計「NA-28」
リオン社製の精密騒音計「NA-28」

「取引・証明」に使用するため、検定を取っています。

定価で90万円近くするため扱いには細心の注意を払っています。


●創和防音で使用している「普通騒音計」

創和防音では基本的に「精密騒音計」を使って音の計測をしているのですが、補助的に「普通騒音計」を使うこともあります。


それがリオン社製の普通騒音計「NL-21」です。

リオン社製の普通騒音計「NL-21」
リオン社製の普通騒音計「NL-21」

普通騒音計の方も補助的にとは言え業務の中で使用しているためきちんと検定を取っています。

こちらも定価で20万円程度と高価です。



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