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自宅に防音室を作るには? 費用の相場やメリット・デメリットを解説

自宅に防音室があれば、楽器を思い切り演奏したり、大音量で映画や音楽を楽しむことができます。しかし、防音室を作るにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?また、施工方法や注意点にはどのようなものがあるのでしょうか?

本記事では、防音室の仕組みや用途別の種類、費用の目安、設置する際のポイントなどを詳しく解説します。


防音室の写真


 

目次


 


防音室の基本構造


防音室の壁面は下の図のような構造になっていることがほとんどです。

「既存の壁の前にもう一枚壁を立てる」というとイメージしやすいのではないでしょうか?


実際には浮壁(うきかべ)という「既存壁」と縁が切れている状態を作り出すことで遮音します。部屋の中に部屋を作る際に、中の部屋が浮いているような構造を作り出すというのが防音室の遮音性能を出すためのノウハウです。


遮音壁


壁面以外で「浮床」「浮天井」を施工し、BOX IN BOXの構造が完成します。



防音室へのリンク


 

吸音と遮音の違い



遮音

重い(硬い)素材で音を反射させ、空間の外に音が漏れるのを防ぐ。


例:プラスターボード(石膏ボード)・合板


吸音

柔らかい(多孔質)素材で音の振動を吸収し、室内の反響を抑える。


例:グラスウール


さらに、防音性能を高めるには「防振」も重要になります。

ダンススタジオやドラムなどを設置している音楽スタジオなどは重量床衝撃音(床への衝撃が壁や天井を伝わって騒音となる)の対策として必須になります。


 

自宅に防音室を作る際の「防音グレード」について


防音性能は「遮音等級(D値)」で示されます。


現状の音 〇〇dB → 対策後 〇〇dB


まずは現状の音の大きさを測定し、実現したい遮音性能を決定します。

(このぐらいの音がこのぐらいになってほしいという感覚的なもので大丈夫です)


部屋全体の仕様を決定し、お客様へご提案するような流れです。


遮音性能の説明

ご要望:マンションで、ピアノを演奏したい


→グランドピアノの音は100dB

→実現したい遮音性能は35dB

→D-65の仕様をご提案


 


用途別の防音室とその費用


用途に応じて、防音室の仕様や費用は異なります。


楽器演奏用:ピアノやドラムなど、楽器の種類によって必要な遮音性能が変わる。


防音が難しい楽器:ドラム・ベース

防音が容易な楽器:アコースティックギター



書斎・仕事部屋:外からの騒音を防ぐだけなら、比較的ハードルが低い


二重窓と壁面の強化のみでも理想を実現可能。床や天井の防音は無しでも可能



ダンススタジオ:防音室の中では最もハードルが高い


床の防振は必須。音量もクラブ〜ライブハウス並みの音が出ることが予測されるため、防音のグレードも非常に高い


防音室の詳しい説明



 

防音室の施工方法とコスト


防音室の作り方には以下の方法があります。


1. 解体無しでの防音室工事(安い・早い)


現状の壁・床・天井で残せる部分を残したまま、その内側に防音施工をする方法です。遮音性能はやや劣りますが解体を前提とした工事より、安価で短工期となります。


壁の内側がどうなっているのか分からないため、遮音性能の完璧なお約束は出来ないこと

天井の高さが本来より低くなることがデメリットとして挙げられます。


新築や築浅の戸建てなどでは非常に有効な施工方法です。



2. 解体込みの防音室工事(安心・確実)


既存の壁面を一度解体し、防音室を作ります。狙った遮音性能がほぼ確実に出せることと、狙える遮音性能の上限も高くなり、お部屋も必要以上に狭くなることがありません。


反面、解体費・処分費が必要となるため、やや高額になる傾向があります。



3. 浮壁無しの遮音工事(特殊)


他の建物からある程度、距離のある一軒家などでは防音室ほどの遮音性能が必要ないケースもあります。その際は、窓にインナーサッシを取り付け(二重窓)既存壁を強化することで遮音性能を高めます。


ハードルは高いですが、条件が揃えば安価で早く、対策が可能です。


 

防音室を作る際の注意点


1. スペースの確保


防音工事では壁や床の厚みが増すため、部屋が狭くなる点に注意。内側に15cm迫ってくるイメージです。


2. ドアや換気の処理


防音性を確保するため、隙間を埋める工夫が必要。換気扇やエアコンの配管も音漏れの要因になるため、適切な処置が求められます。


3. 施工会社の選定


防音工事の専門知識がある会社を選ぶことが重要。適切な設計がされていないと、思ったような防音効果が得られない可能性があります。


「防音専門」と名前の付いている企業に依頼されることをお勧めします。一般的な工務店などでは高い遮音性能を実現することは難しい場合もございます。


 

防音室のデメリット


  • コストが高い:本格的な防音工事をすると費用がかかる。


  • スペースが狭くなる:壁の厚みが増すため、元の部屋よりも狭くなる。


そのお部屋で過ごされる時間が長ければ長いほどメリット(コストパフォーマンス)が大きくなります。


 

まとめ


自宅に防音室を設置することで、快適な音環境を手に入れることができます。しかし、用途に応じた設計や施工方法を選び、適切なコストを把握することが大切です。


防音室の導入を検討する際は、専門業者と相談しながら、目的に合った最適なプランを選びましょう。



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