「音の伝わり方を考える」音を伝える物質「媒質」の種類について
みなさんこんにちは! 創和防音です!
映画の爆破シーンで「真空の宇宙で爆発が起こっても一切音が出ていない」なんてシーンを見たことはありませんか?これは真空では音が伝わらないことを表現しているのだと思います。
真空では空気が非常に薄く、空気中に分子が存在しない状態です。なので真空状態では振動を伝える分子が存在せず、音を伝えることができません。
このように音が伝わるためには伝えるための物質(媒質)が必要となります。
今回は音に関する知識として、「音の伝わり方」についてお話ししたいと思います。
真空とは?
日本工業規格(JIS)では、真空(Vacuum)を「通常の大気圧よりも低い圧力の気体が満たされた空間の状態」と定義しています(JIS Z 8261-1)。
つまり、真空とは空気が完全に存在しない状態ではなく、あくまで大気圧よりも低い圧力の状態を指します。平地での通常の大気圧が10⁵Paであるため、それよりも圧力が低ければ真空と見なされます。
音の伝わり方
音とは、物質中を振動(波)が伝わっていく現象です。この振動は物体の周囲にある空気を押し出し、圧縮します。この圧縮された空気の濃い部分を隣の空気がさらに押し出していきます。こうして空気の濃い部分と薄い部分が次々に発生し、波となって伝わる現象を「音」と呼び、この圧力の変化の波を「音波」と言います。
図で表すとこのような形になります。
音を伝える物質(媒質)
音を伝えるための媒質には、気体、固体、液体などがあります。媒質ごとに音の伝わる速さが異なります。例えば、空気中では音は約340m/sで進みますが、水中では約1500m/s、鉄では約5000m/sの速さで進みます。
音の伝わる速さには、媒質の密度と弾性率(物質の硬さ)が関係しています。軽くて硬い物質ほど速く音を伝える傾向があります。また、媒質が存在しない真空状態では音は伝わらないため、宇宙空間で音が生じることはありません。
空気伝搬音
空気伝搬音とは、空気中を伝わって耳に届く音のことです。音源からの距離が離れるほど音のレベルは弱くなり(距離減衰)、壁などの遮蔽物によってある程度遮断されます。
遮音壁や防音室は空気伝搬による音を低減することが可能です。創和防音で取り扱っている騒音問題の大半は、この空気伝搬音によるものです。
例えば「ピアノの音を外に漏れないように防音して欲しい」「高速道路の騒音が部屋に入らないように工事をして欲しい」などのご要望は空気伝搬音を遮って欲しいという言い換えることもできます。
防音工事として難しいのはこの次にご紹介する個体伝搬音です。
固体伝搬音
床や壁、天井などを振動や衝撃が伝わって聞こえる音です。固体は気体や液体よりも密度が高いため、音が伝わりやすい特徴があります。マンションなどで最も苦情が多いのが、上下階の音、つまり固体伝搬音である床衝撃音に関するトラブルです。
固体伝搬音を防ぐためには、防振ゴムなどの防振材を使用して振動を緩和する方法がありますが、空気伝搬音に比べ対処が難しく、完全に防ぐことは難しいのが現状です。
完全に無くすことは難しいですが創和防音の特許技術「ドンナラン」の防振床工事をすれば、住宅などで工事可能な防振床としては最高レベルの防振が可能です。
詳しくはこちらをご覧ください。
液体伝搬音
音は液体中も伝わります。液体の密度は気体よりも大きいですが、弾性率はさらに高いため、音は空気中の4~5倍の速さで伝わります。ただし、水中で話そうとすると難しいため、水中で音の速さを体感することは難しいかもしれません。
騒音問題を解決します!弊社までお気軽にご相談ください
以前のブログでは媒質ごとの対策をご紹介しています!
今回は「音の伝わり方」についてご紹介しました。弊社では、工場内の機械音や室外機の音などの空気伝搬音に関する騒音対策をはじめ、マンションやオフィスの床振動などの固体伝搬音による騒音対策など、さまざまな騒音問題の解決を得意としております。
騒音対策や防音工事のご相談は、ぜひ創和防音までお気軽にお問い合わせください!
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