top of page

​〈 防音室工事の流れ

​お問い合わせから
お見積もりまでの流れ

お問い合わせ

お問い合わせを受ける防音担当者

「楽器を演奏するための部屋が欲しい」というご要望の場合はは現状のお部屋からどの程度性能を上げなければいけないのかを検討し『外部の音がうるさい。』というご要望の場合はどの程度の静けさを確保したいのかを検討します。 お客様が望まれる事を最適な方法で実現できるように、弊社スタッフが打合せをさせていただきます。 お客様にとって居心地の良い空間になるよう、ご提案させて頂きます。

事前の現地調査

扉の寸法を計測する様子

お客様の希望を具現化するためには、現状の環境を把握する必要があります。外の音はどの程度か?昼と夜でどの程度変わるのか?部屋の壁はどの程度の性能なのか?建物の構造は?近隣との距離は?近隣との親密度は?正確に把握すれば、オーバースペックにする事もなく、費用も抑えられます。適切な仕様を適切な価格でお渡しする為に現地調査は大切です。  

防音室のお見積もり

お見積もり

現地調査から把握した情報とお客様の希望をかなえられる仕様を計算で割り出し、お見積りに反映させていきます。調査→設計→施工と一貫して弊社スタッフと専属の職人で完結しますので、余分な費用が掛かりません。お客様に伝える目標値に対して、納得して頂いた上で工事を進めさせていただきます。 

防音室工事の流れ

1週目

養生

防音室工事前の養生

養生は、工事の品質や安全性を確保するために重要な工程です。

工事を予定している部屋から、資材置き場、加工スペース等を、傷ついたり汚れたりしないように、シートや合板等を敷いて保護します。これにより、『作業員が安全かつ効率的に作業できる環境』が整えられ、作業エリアを覆うことで、工事に伴う粉塵や塗料の飛散を防ぎ、周囲の空気や他の部屋への影響を最小限に抑えます。

現状のお部屋の解体

解体

内装工事の解体とは、部屋内部の構造物や設備を取り除く作業です。

具体的には、床・壁・天井の遮音性能が弱い箇所を補強する為、又は増設(防振床や遮音壁)するにあたり出っ張ってくる床や壁を解体していきます。事前に、流用できる範囲をしっかりと検討していると、最小限の解体作業で済みます。

搬入

資材の搬入

工程に沿って、必要な材料や機器、道具など、周囲を傷つけないように細心の注意を払いながら、運びこみます。その他、何をどのタイミング使用し、先の作業用資材をどの程度、置いて行くのかが重要になります。

一度に全てを納品できれば、楽なのですが、現場にそれだけの資材を置けるスペースはありません。職人の作業止めず、現場も散らからない現場事の適切な搬入量を判断する必要があります。

固定床の床組み

固定床の組んでいる様子

防振床の前に、一層目の固定床側の床組みをします。

納まりを検討し、既存の床仕上げからいくら下げるかを検討します。この高さを間違えると、床・壁を解体し、やり直す事になりますので、事前に納まりを熟考し、現場の仕上がり高さを確認し、細心の注意を払いながら作業にあたります。

PSブロックの浮床

浮床施工

床にかかる重量(壁、天井、人、家具、楽器等)を算出後、防振性能を検討し、お部屋の目的に合う性能の床を計算します。固定床の上に、検討した防振ゴムを設置後、合板等を積層して構築します。

敷設された積層材と防振ゴムが振動を吸収し、階下や隣接する部屋への固体伝播音を軽減します。

2週目

電気配線

電気配線工事

設備配線とは、電気や通信などの設備を配線することを指します。

具体的には、電気配線、電話やインターネットの通信ケーブル、TVアンテナの配線等です。

固定遮音壁を貫通して配線を出してくるので、貫通部は隙間の無いようにコーキング、鉛テープ、粘土等で塞ぎます。これを疎かにすると、目的の性能値が出なくなります。

天井 下地 

天井の下地組み

天井下地とは、天井を構築するための基本的な骨組みや下地のことを指します。固定遮音天井と浮遮音天井の2重の天井構造となります。

固定遮音層では一般的な住宅と同じような組み方ですが、浮遮音層では特殊な組み方をします。具体的には固定遮音層に当たらないように全てに干渉材(スポンジゴム等)を入れながら組みます。ここで固定側と浮側が設置すると性能が格段に下がるので、職人も細心の注意を払い、作業に当たります。

壁 下地 

壁の下地組み

壁下地とは、壁を構築するための基本的な骨組みや下地のことを指します。

固定遮音壁と浮遮音壁の2重の壁構造となります。

固定遮音層では一般的な住宅と同じような組み方ですが、浮遮音層では特殊な組み方をします。

具体的には固定遮音層に当たらないように全てに干渉材(スポンジゴム等)を入れながら組みます。ここで固定側と浮側が設置すると性能が格段に下がるので、職人も細心の注意を払い、作業に当たります。

吸音材充填

吸音材を充填している様子

下地組立後、隙間なく吸音材を充填していきます。一般的な住宅では、吸音材(グラスウール)を断熱材として使用する為、パックに入った商品が売られていますが、防音工事では性能を優先するため、裸のグラスウールを使用します。見えない所ですが、吸音材が無いと遮音性能が下がりますので、窓周り、扉周りの隙間にも吸音材を充填します。

給排気ダクトの施工

防音室の隙間のない施工

防音室は密閉された空間なので、外部からの空気の出入りがほとんど無くなります。そのため、新鮮な空気を取り込むために換気扇が必要なのですが、一般の換気扇に遮音性能はありません。そのために遮音性能を有する換気扇を設置します。ただ、壁を貫通するため、特殊な納まりになりますので、知らない業者が施工すると音漏れの原因になります。

3週目

​防音材施工

防音材を配置している

固定遮音層と浮遮音層の2重ともプラスターボード(石膏ボード)の15㎜を2層ずつ設置し、隙間が出来ないよう充填材を入れながら、密閉された空間を作っていきます。一般的な住宅の仕上げだと、ボードに多少の隙間があっても、表面材(仕上げ)で隠す事が可能ですが、性能を担保するためには少しの隙間も許容できません。ボード同士の隙間や設備配線貫通部の処理の確認は職人だけではなく、現場監督も一緒にチェックしていきます。

防音ドアの設置

防音ドアの設置

一般的な扉より高重量なため、扉の枠を設置する際に補強材(柱等)を壁に入れています。万が一、入れ忘れた場合、扉が傾いてきて、勝手に開く(閉じる)。酷い場合は閉まらなくなる。扉を閉める度、壁が振動する等の不具合が生じます。なので、仕様を決める際、扉の重量を確認し、重量にあった補強を検討する事が重要になります。

2重窓の設置

2重サッシ

2重窓を設置する際、設置箇所の窓枠の精度が重要になります。

一見するとまっすぐな窓枠も大工が組む前は、多少ですが歪んでいます。気にせず組むと5㎜程度のズレが発生します。仮に幅60㎝の窓枠を作るとして、上側と下側は幅60㎝、中央部は幅60.5㎝で作ってしまうとレールに隙間が出来てしまい、本来、出るべき性能が出なくなります。

窓枠を組む時にズレが無いように調整し、窓枠を壁に設置する時にも均等な幅になるように調整しながら取り付けていきます。

​床仕上げ 内装仕上げ

床と壁の仕上げ

仕上げの美しさは仕上げ用の下地(合板やプラスターボード)の施工の綺麗さで、決まってきます。そのため、板材同士の段差や不陸等(壁や床の段差)、可能な限り調整し、仕上げ工事に臨みます。

仕上げでは、音場と意匠を天秤に掛け、どのように見せれば、違和感がないか?使用目的に合っているのか?を検討して決めていきます。

吸音パネル設置

吸音パネルの設置

吸音パネルの内部はグラスウールのため、パネル面に設備関連(コンセントやスイッチ、エアコン等)を配置してしまうと設置する事が出来ません。そのため事前にグラスウールと同じ厚みの下地材を必要最低限の大きさで設置しておきます。大きい下地を入れてしまうと、吸音パネルの役割を果たさないため、事前に設備関連の仕様(大きさ)を確認する事が重要となります。

4週目

電気仕上げ

電気配線の工事

デザイン面では照明が規則的に設置されているか?性能面ではスイッチやコンセントBOXに来ている配線が遮音処理(隙間が無いように塞いでいる)出来ているか再度確認します。遮音処理が難しい箇所に関してはボックス内部に鉛シートを貼り遮音層が切れないようにします。

設備

ロスナイを設置している様子

換気扇は吸音パネルの上から設置する事が多いため、キズや汚れを付ける可能性があるため注意して設置に取り掛かります。換気扇は固定遮音層と浮遮音層を貫通して設置しているため、きちんと縁切り(浮いているような構造)する必要があります。この設置方法以外の方法で設置してしまうと遮音性能が担保できなくなってしまうため、予め納まりを検討することが重要です。

養生剥がし・清掃

工事後の養生剥がし

内装工事が完了したら、最初に設置した養生を剥がしていきます。築年数にもよりますが、テープでシートを固定している箇所を、勢いよく剥がすと表面を傷める事があります。最後の作業だからこそ慎重に、かつ丁寧に、来た時よりも美しく、気持ちを落ち着けて作業します。

シーリング

シーリングとコーキング

防音室と一般的な居室は、仕上げを直接つなげる事が出来ないため、取り合い部は化粧シール(コーキング)で納めます。これは、音や振動が防音室から外に伝わらないようにするためです。そのため、計画時に既存の部屋の仕上げを把握し、防音室との取り合い部の納まりに違和感が無いように検討する事が重要になります。

測定

工事後の測定作業

工事完了後、施工前に伝えた目標値(遮音性能)を部屋が満たしているか確認します。具体的には室内でスピーカーから音を出し、外部で聞こえる音を測定します。過去に目標値を下回った事は一度もありませんが、もし、下回った場合は原因を探し是正します。是正のために必要なら解体してやり直します。 

bottom of page